以前、友人がPC自作をはじめたいというので、いろいろとアドバイスしたことがありました。
1回目の訪問
自作PCを組むに当たって基礎的な知識が書いてある雑誌を買って持って行きました。PCの部品の選定について話をし、雑誌はそのまま彼にあげました。
彼は外付けドライブを2つ持っており、それぞれ容量の半分も使っていないような状況でした。
どちらかのHDDにファイルをまとめて、もう一台をバックアップとしてコピーしておくといいよ。
とアドバイスしました。
部品の最終決定、通販ショップの選定、購入までを電話やLINEでやりとりし、部品が到着するまで待つことになりました。
2回目の訪問
数日後、部品がそろったので、PCの組み上げ、OSのセットアップなどを手伝い、古いノートパソコンから新しく組んだPCへとデータを移す作業をしました。実際に作業したのは友人本人です。
彼は熱心にメモを取り、多くの紙に達筆でやたらに書き残していました。そんなことまでメモするの?っていうくらいでした。
このときも、PC本体と外付けHDD2台の3つに別々のデータがそれぞれ存在している状態でした。
もちろん、3つに分けているのが悪いわけではないけれど。
もしもHDDが壊れたときには、元に戻せなくなると大変だからバックアップを・・・・・
と、再度アドバイスをしました。それもメモしていました。
データの整理整頓そのものは本人の思いがあるだろうから強制するわけにもいかないので、写真はピクチャフォルダに入れるとかの分類例をアドバイスしました。
なかなか快適なマシンが組み上がりました。
3回目の訪問
1年後・・・、
PCが不調なので見てほしいと頼まれ、友人の自宅まで見にいきました。
電源を入れると、デスクトップに雑多なショートカットやらエクセルのファイル本体までが、(私から見ると)乱雑に置いてあり、不調の原因はおそらく無料のソフトの入れすぎだろうと思われました。
私としては、OSから再インストールしてすっきりさせたいところですが、どのソフトを削除していいのか、どのソフトが必要なのか、どのように整理したいのかは彼に尋ねても彼自身もわかっていないようです。
そこで、現在の環境を変えずに移行できる方法をとることにしました。
同じパソコン内のWindowsに別のアカウントを作成し、そちらがスムーズに動くことを確認した上で、新しいアカウント上に必要なソフトだけを入れるようにアドバイスしました。古いアカウントも念のために残しておいて新しいアカウントへ移行できたら、古い方を消すようにと言いました。
このとき、以前の2つの外付けHDDのデータのことを聞いてみると、バックアップは取られておらず、以前と同じ状況でした。容量が足りないとかいうわけでもなく、データを整理することができなかったのでしょう。
ファイルはコピーを残しておかないと大変なことになるよ・・・・(1年ぶり3度目)
4回目の訪問
さらに半年後、やっぱりPCの速度が遅くなって不調だというので、見にいきました。私のPCよりも最新部品を使っているはずなのに遅いということ自体、頭をひねる状態です。
彼が開いたPCの画面を見ると、半年前、ソフトの入れすぎで重くなっていたはずの古いアカウントでした。
えっ?
目を疑います。
新しいアカウントは?
使ってないの?
ていうか、前回私が半日かけてやった作業とは一体!?調子が悪かったはずの古いアカウントを移行させるために説明をしたのに、あの日、私が帰ったときから変わっていないように見えるのです。私が説明したことは何にも通じていなかった・・・。メモをあんなにしていたのに、彼はメモの整理もできない人だった。
念のためにと持ってきていた私の中古のSSD(128GB)(初期化済)を差し出し、今使っているSSDと入れ替えて、Windowsのインストールからやり直してみるということにしました。
これなら、現在の環境もSSDを交換しなおせば、元に戻せます。
友人自身で経験してもらって覚えてもらわないと、また出張しなければならなくなるので、再インストール等は自身でやってもらうことにしました。
事件が発生
ここで事件は起こります。Windowsのインストール時にUSB接続したままで電源の入った外付けHDDを初期化したようなのです。
私がついていながら、USBに何かがつながったままだったのを見落としていたのは失敗でした。
友人のPCはシンプルな構成だと思って油断していました。
バックアップは??
ご想像のとおり、大事なデータはそこにあった1つだけでした。
注意点
データはCドライブとは物理的に別のHDDに!バックアップはさらに別のHDDに!
大事な家族の写真があったのに、と落ち込む友人。
私はクレームを言われたわけではないけれど、勝手に責任を感じて落ち込みます。
自分でやるからいろいろアドバイスしてくれといわれ、何度も出張し、何時間もアドバイスしたのに、何も実行されていない。だいたいアドバイスなどと上から目線で言っておいて、誰もが理解して実行してくれると思っていてはいけなかったのです。
人に教えるということはこの年になってもなかなか難しいモノです。