我が家の3匹のねこのうち、今回は2番目、白黒ねこの「くぅ」メス、たぶん8歳くらい。
最初のねこ「ちゃと」がやってきて3年、ずっと王子さま扱いを受けてきた「ちゃと」に「試練の時」が訪れます。
2010年6月午後4時すぎ、絶賛お仕事中の私に当時高1の息子からの電話がなりました。
息子「あ、父さん。子猫が捨てられとったんじゃけど、飼ってもいい?」
私「は?『ちゃと』が居るのに飼われんわ。拾ってくるな。」
息子「もう連れて帰って玄関のところに居る。」
私「何!ばか・・・・・まあ、父さんが帰るまで待て。早めに帰るわ。」
帰宅してそのねこを見てみると、ビックリ!
全く「子猫」ではない・・・・。どうみても子猫ではなく、半年以上は経っている感じでした。
汚い。
ただし、愛想だけはひたすらよい。すり寄ってくる。
しかし、コレを「ちゃと」と一緒にさせることができるのか、多頭飼いだぞ。トイレとかどうするんだ?
私「これはちっとも子猫じゃないじゃんか。飼い主がいるんじゃないんか?」
息子「拾った近くに1軒だけ家があったんで、その家で聞いてきた。捨て猫らしくてしばらく前からそのあたりで泣きよったって。」
おぉぅ・・・なかなかの行動力、コミュ力・・・・。そんなことした上で連れて帰ったんじゃ、元に戻しにいかれないじゃん。ま・まぁ子供のしたことじゃから、ええか・・・。
私「元のところへ戻してきなさい。」
ガッカリした表情で「ちょっと大きな子猫」を抱きかかえて連れて行く息子・・・・。
あぁ、私の判断はまちがっているのか?・・・・、息子の心の傷になったりしないのか・・・。
タイミングよく妻がいつもよりもかなり早めに帰ってきた。
これまでの経緯を話した。
妻「捨て猫を一度拾って帰ったら、今度は元に戻した人が捨てたことになるんだよ」
ええ、知ってますとも。
息子に一人で捨てに行かせたこともよくなかったのかも、息子がどういう風に感じているのか、本気で飼う気があるのか・・・・。と、夫婦でああだこうだと話し合った結果、もう一度そのねこを迎えに行こうかということになりました。
元いた場所に戻して帰宅した息子に、ねこを連れて帰ろうかと話し、今度は親子3人でその「ちょっと大きい子猫」を再度ひろってきました。
私「このねこ、飼いたいか?」
息子「うん、でも俺、めんどう見きれんから父さんが決めて。」
うおおおおぉぉい!
そこはドラマやアニメでは『僕がめんどう見るから飼ってもいいでしょ?』だろおおおがwww
そして、なしくずし的に、うちのコになりました。
とりあえず、あまりにも汚いので、お風呂で洗ってやり、行きつけの動物病院へと連れて行きました。
この動物病院は、無口な先生と愛想のよくない看護師さん(ただの受付の人かも)の二人が出迎えてくれます。先生の説明は必要最小限で静かです。先生はこのコを診て、歯の歯垢の付き具合から1歳くらいではないかと言いました。1年も!野良で生きてきたのか!衝撃です。
愛想のよくない受付「で、このコどうされるんですか?」
私「あぁ、飼いますよ」
愛想のよくない受付「飼うんですか!?」
そんなにおかしいですかww
(このきったないのひろって飼うのか)って心の声が態度に現れてますよ・・・・。
注射を打ってもらいました。愛想のよくない受付は、先生に対してもなんかため口っぽいです。夫婦なのでしょうか、疑問です。
家に帰ってこのねこをよくよく観察すると、食べ物がなくて石や砂を拾ってかじったりしていたようで前歯が上下とも抜けてとがった牙だけが目立ちます。
後にわかったことですが、目やにがひどいのは目と鼻をつなぐ管が詰まっていて涙が鼻に流れず目から溢れているのです。ねこの涙は空気に触れると茶色く変色するそうです。
ノミが残っており、「ちゃと」にノミが移ると大変なので、もう一度風呂で洗ってやりました。
温水をかけられて怖かったのでしょう、のろのろと逃げ回り、にゃあにゃあと泣き続け、風呂場にうんちを漏らしたのですが、「泥」です、うんちが。
栄養状態も悪く、やせ細っており、食べ物に困っていた様子です。1年も野良で生きてきたんだなぁ、苦労してきたんだなと思うと目頭が熱くなってしまう。
愛想はよいので、あの動物病院の受付の人には見習ってほしいなと思うところですが、このコは通りがかった人に愛想よくして餌をもらって生きてきたんだろうと思います。
ごはんは、食べる食べる、喰う喰う、くぅくぅ。名前は「くぅ」。
(嘘です、後から語呂合わせしただけです。最初は、ジュースの「Qoo」から発想した名前です。)
後々にもご飯やおやつをもらうときのすばやさにサバイバル能力の高さを発揮します。
かくして、多頭飼いがはじまりました。