上の写真は、「くぅ」が我が家にやってきて2ヶ月、避妊手術の直後です。(お腹に糸が写ってます)これでもかなり太ってきたところです。「ちゃと」とは相性が悪く、「ちゃと」はいつも「くぅ」を遠ざけるように、「シャーーッ」と怒っていました。
我が家の3匹のねこのうち、3番目は「ちぃ」の話です。「ちぃ」は、メスで現在6歳。
2011年6月末。「くぅ」がやってきて丸1年、体重は当初(1.6Kg)の約3倍以上(5.2Kg)に膨れ上がっていました・・・・。幸せ太りなのか、野良時代の飢えていた分を取り戻そうとしているのか・・・。
そのころ私たち夫婦は、日頃の運動不足を解消するためにご近所のコースをウォーキングしていました。いつもは仕事から帰宅して夕食前に約30分歩いていたのですが、その日は夕食後、しかも夜の9時からのドラマを見た後、ウォーキングに行こうってことになりました。今から思うと、そんな夜中にウォーキングに出かけたのは、その日を含めて3回ほどしかなくその日が3回目でした。
玄関を出て右へ曲がりさらに自宅の塀に沿って右に曲がったところで、なにかが動きました。塀の下の道路上に白地に茶色のぶち模様の小さな子猫がいたのです。
私「おおっ?!」
私はしゃがみこんでその「ねこ」を抱き上げようとしました。
妻「えぇっ!もう1匹!!」
私「はあ?」
暗い住宅街の夜道にもう1匹の黒っぽいねこがいました。白茶のねこよりもさらに小さい子猫です。生後1ヶ月も経ってないのではないかと思われるくらい小さい。私は白茶のねこをかかえて妻に渡し、代わりに黒っぽいねこを抱き上げました。
妻「どうする?どうするの?」
私「どうしよう、もう、うちで飼うのは無理だし」
既に2匹も飼っているうちで4匹も飼うことはできません。しかし、このままここに置いて見なかった振りをして、翌日以降に車に轢かれたりしているのを見たくはありません。住宅街とはいえ結構車も通るのです。誰かがねこを飼っているのがバレバレな(ねこたちが窓から外をよく見ている)我が家へ連れてきたのか、それとも別のところから自分たちで歩いてココにたどり着いたのか、全くわかりませんが、このままにしておくわけにはいかないということだけは確かです。
とりあえず、ココよりも安全な場所に連れて行こう。近くの公園まで連れて行って(徒歩3分)、子猫たちが遊んでいる間にそっと離れて責任を逃れよう。それがいい。
夫婦二人で2匹の子猫をそれぞれかかえ、公園に行きました。公園の出入り口から遠いジャングルジムの中へ子猫を離し、そっと足音を立てないように夫婦で目配せをしながら徐々にその場を離れていきます。これ以上ないというタイミングで競歩さながらの早足です。ジャングルジムとは逆方向の来たときとは別の出入口に向かって早歩きです。
妻「ああぁ・・・・」
私「!?」
妻が早歩きをしながら後ろを向いて何か言っています。私も振り返ると、これ以上ないくらいの猛ダッシュで子猫2匹が追いついてきました。その小さい体でよくそのスピードが出せるなっ!!ってくらいでした。だめだこりゃ。保護責任者遺棄未遂です。どうして罪をかぶらなければならないことになったのか!とりあえず家に連れ帰るしかありません。
玄関で靴を片付け、居間との間の扉(引き戸)を締めてしまえば隔離可能です。
2匹の子猫は兄弟なのでしょうか、それにしては大きさがかなり違っていました。黒い方は白茶の半分くらいしかありません。ひとつのお皿にウェットフード(レトルト)を入れて与えてみると、白茶ねこが先に食べ始めます。黒い方も食べに行こうとするのですが、白茶ねこが微妙に邪魔をしながら独り占めします。兄弟で体の大きさが違うのは、こういうことかと理解しました。フードは十分にあるので、白茶ねこが食べ飽きた頃、黒いねこも食べることができました。
時折、ニャアニャアと声が聞こえる玄関に、我が家の先住ねこたちはというと、「ちゃと」は警戒して近寄らず、「くぅ」は食事以外のことにそれほど興味はなくマイペースです。
それにしてもこのコ達をどうするべきなのか・・・。里親探しか。
ネットでいろいろと検索しましたが、よい方法は思い付きません。すると妻が、「ちゃと」をもらってきたペットショップはどうだろう、預かってもらえるのでは?と言いだし、翌日連絡してみました。ノミ取りシャンプー代とかしばらくの間の食事代等を支払い、引き取り手が現れるまで仲介してくれるということでした。
段ボール箱に入れて連れて行きました。同じように引き取り手を待つ子猫たちがたくさんいました。子猫が多い季節ってあるんですよね。それらのケージが並んでいるところに段ボール箱を置いて店員さんを呼びに行くと、段ボール箱を他の子ねこたちに近づけないでください!と怒られました。ノミが移るからだそうで、もっともですね。でもなんだかうちのコたちが差別されているようでムカつきます。住所や名前、連絡先を記入し、このコたちに引き取り手が現れたときには、連絡してもらえるということでした。これで一安心です。
後は引き取り手が見つかればOK。
ここでひとりのねこバカが発覚します。妻です。妻の職場がペットショップの近くということもあり、それから毎日ペットショップに様子を見に通います。「巨人の星」の明子姉ちゃん(古っ!)のごとく柱の陰から、うちのコたちの売れ行き(?)を気にしていたのです。
2匹のうち、白茶の大きい方は2日目にはいなくなっていました。白い部分とか色艶が良くて器量よしだったからね。もし1匹だけ飼うとしたら白茶を選ぶと言ったのは私でした。妻は当初から黒っぽい方のコは売れ残るんじゃないかと心配していました。だって、ちょっとブスだからね。真っ黒じゃなくて一般的に「さび柄」と言われる毛柄で、なんだか薄汚れて見えるし、顔に一筋白い線が入っていて、特徴的すぎるんです。
自宅前で発見した日が月曜日、ペットショップに連れて行ったのが火曜日、白茶がいなくなっていたのは木曜日、私は見に行きたい気持ちはあるものの平日になかなか行かれませんでした。
そして週末の土曜日、日曜日ともうひとりのねこバカ(私)も加わって、こっそり見に行きました。店員さんに見つかったら、バカがばれて恥ずかしいじゃないですか。
黒っぽいねこは、ケージに1匹だけ入っていました。白茶ねこが先に引き取られたので、それから1匹だけ入っているようでした。ケージの中には、下に敷いてある新聞紙、ぺったんこの浅くて四角いトイレ、小さいトイレなのにその横で丸まって震えているうちのコと比べると、大きく見えます、ケージも大きすぎます。6月末だからエアコンは必要だけど、冷えすぎなのかもしれません。
日曜日の夕方になっても引き取り手は現れず、家へと帰る車の中、エアコンの寒さに震えるあのコを思い浮かべると、急に涙が出そうになりました。
翌日の月曜日、仕事から帰宅し、妻と息子と3人でねこを引き取りにいくことになりました。ワイパーを最速にしても前が見えないほどのどしゃぶりの雨の中でした。ペットショップの店員さんは、子猫を引き取る人の名前を書いたときに『ん?』という顔をされましたが、何も言いませんでした。預けた人と引き取る人の名前が同じことに気がついたかな?
翌日、このペットショップの店員さんから2匹とも引き取られましたよと連絡がありました。
店員「あの・・・・、昨日、引き取りに来られましたよね」
私「はい、ばれてましたか」
店員「やっぱりw」
テヘペロですw
2匹のねこを預けたときに2万円強を支払い、6日後にまた1万円強を支払い、うちのコがまた増えました。名前は、「ちゃと」を呼ぶときに「お」の母音が印象に残り、「くぅ」は「う」の音が残るので、「い」の音が印象に残るといいなと思い、「ちぃ」と名付けました。
「ちぃ」は、このときなんと、片手に乗るくらいの大きさ。例の愛想の良くない受付の動物病院に連れて行くと、生後1ヶ月~1ヶ月半くらいと言われました。そのうち6日はペットショップに、2日は我が家に居ましたけどね。
「ちぃ」は、その毛柄が関係していると思いますが、写真を撮るのが難しい。ピントが合いません、「顔認証」されないんですw
このコがやってきて、ねこたちの関係も、私とねこたちの関係もいろいろ変わっていくことになるのですが、その話はまた後日・・・。