【雑記】住宅ローンの繰り上げ返済

2018年12月11日

どんなに熱を持って語っても、どんなに丁寧に説明しようとも、なぜか伝わらない。ピンときていないとでもいうのでしょうか。今回のお話もそんな種類の話です。

住宅金融公庫のローン

私が36歳の時、土地を買い、家を建てました。35年ローンです。

住宅金融公庫のローンで、固定金利の期間が10年でその後は変動するというものでした。

私たち夫婦は同じ職場で共働きでしたので、家は共同名義です。家計は苦しいというほどではありませんでした。ふたりとも趣味にお金をかけず、つきあいも多くないので、元々それほどお金を使わない体質(?)だったからでしょう。月々の出費が多かったときはボーナスで補填し、それでもボーナスからわずかに貯金するというふうに過ごしていきました。

銀行への借り換え

固定金利から変動金利へと変わる10年目がくる前に、住宅金融公庫のローンから当時少し金利の低かった銀行のローンへと借り換えをしました。

繰り上げ返済

その際、その銀行では、一部返済をネット上でシミュレーションし、決められた時期までに変更をネット上で実行すると、繰り上げ返済ができる仕組みがあったのです。ネット上で行うと窓口などで人の手を借りるよりも手数料が低くなります。

繰り上げ返済のシミュレーションでは、一部を大きく支払うことによって、月々の返済額やボーナス時の返済額がどうなるのか、またローンの期間を短縮するのかなどを具体的に数字で表してくれます。

繰り上げ返済には手数料もかかるので、少ない金額を何回もやるわけにはいきません。私たちは1年または2年に1回程度、貯金が貯まってきたら繰り上げ返済を利用していくようにしました。1回の返済額は約100万円。それでもぐんぐんとローン残高は減っていきました。

元金を減らす

住宅ローンのように長期間の借り入れの場合は、返済しているお金の内訳を確認すると、特に初期はその支払いの半分以上が金利ということになっています。ローンを返しても返しても金利を払っているばかりで、ほとんど元金は減っていません。

一度に多くの繰り上げ返済を利用すると、その元金が減っていくのです。その効果は絶大です。例えばある年の返済では、約100万円返済することで将来のローン残高が200万円以上減ったこともありました。ただただ単年の1%や2%の金利を考えているだけでは思いも寄らない効果なのです。

こうして我が家の住宅ローンは、私が51歳になる前に完済することができたのです。親からの援助もなく、普通の国家公務員(※)2人だけでなんとかなるものです。
※後半は一般会社員

ローンを完済

当初35年のローンを、約15年で完済したのです。

ローンを完済した翌年の3月で私は退職しました。「病気のため」と「勧奨による早期退職」ではありますが、51歳のこれから多くの給料がもらえる50代が始まったばかりの時期に退職できたのは、ローンがなくなったからです。

会社のローン

ローン返済期間中に、ボーナスがいつもの年よりグンと落ちたことがありました。会社では、ボーナスが下がったことによりローン等の返済に困る社員への救済策として、通常よりも低い金利で貸し付けをしてくれる臨時の制度ができました。

銀行の金利が2~3%のとき、実質1%で貸してくれるというのです。

貸付金額の上限は、社員によって審査を受けて決まるのですが、私たち夫婦はふたり合わせて約80万円を借りることができました。これを繰り上げ返済に充てたのです。

先に書いたように将来支払うローンの支払期間を短縮していけば、それだけ毎月の支払額に占める金利部分の割合を小さくできるので、元金はどんどん減り、総支払額が減るのです。

会社のローンは、銀行の住宅ローンとは別に残りますが、給与天引きですし、一括返済も可能でした。

人に勧めてみる・・・

私たちと同じように夫婦共働きで住宅ローンをかかえる同僚はたくさんいました。同じ会社の社員ですから収入もそれほど変わらないはずです。

特に同じ年代で仕事もできて頭も切れるAコさんには、ご主人のKくんとも同じ職場で仕事をしていたこともあり席も隣だったので、とりわけこのことをよく話したのです。

ところが、Aコさんには、熱く語って勧めてみても、丁寧に説明してみても、反応が弱いのです。頭の良いAコさんのことだからきっとこの話には食いつくに違いないと思っていた私は、話が通じなくて、手応えが全くなくて、がっかりです。

家に帰って妻と話したときは、とても良く話が通じていたというのに・・・。良く気が合うから夫婦が続いているということなのかもしれません。

住宅ローンのある別の同僚にも話したのですが、実質、奥様がやっているからよくわかっていないとか、まとまったお金ができないだとか・・・(そもそもその会社ローンでまとまったお金を作る話なのだが)、結局誰からも賛同を得られなかったのです。

考え方もいろいろだから、いろんな反応があって当然ですが、自分の説得力のなさを痛感する出来事でした。

説得できたところで自分には何の利益もなかった話ですけどね。

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